頭痛 |
頭痛はいろいろな原因で起こりますが、 大きく分けると2つに分類されます。 脳や身体に器質的な異常があって、 放っておくと生命が危うくなるかもしれない頭痛と、 そうでない頭痛です。 生命が危うくなるかもしれない頭痛は、 くも膜下出血や脳腫瘍、 つまり脳もしくは身体の器質的な異常によって生じます。 器質的な異常のない頭痛はさらに2つに分けられます。 頭の血管が拡張しておこる血管性頭痛と、 肩や首の筋肉の緊張や精神的ストレスからくる 緊張型頭痛です。 血管性頭痛は更に片頭痛と群発頭痛に分けられます。 頭痛で悩んでいる方の半数以上は緊張型頭痛で、 首筋から後頭部、またはこめかみのあたりが 締めつけられるられるように痛みます。 ほとんどの場合、身体的精神的ストレスや 首の骨(頚椎)の老化が原因となっています。 うつ状態が関わっている場合もあります。 最近では、スマホやパソコンのやりすぎによる頭痛が 急激に増えており、これも緊張型頭痛の一種といえます。 パソコンで1日中仕事をして、その結果生じた頭痛を スマホで紛らわせようとして独りでは脱出不可能な 袋小路にはまってしまうという図式です。 緊張型頭痛に見かけの症状が似ている頭痛に 帯状疱疹による頭痛というのがあります。 帯状疱疹は神経の走行(頭で言えば、三叉神経や、大後頭神経) に沿って発赤や水泡ができるので有名ですが、 痛みが始まって最初の1?5日は、痛みだけで皮膚症状は 出ませんので、ピリピリとかズキズキとか、緊張型頭痛としては ちょっと?といった症状だけでは決め手がありません。 おまけに、三叉神経第一枝では前頭部痛、 後頭神経では後頚部・後頭部痛となりますので 部位からは全く緊張型頭痛と区別がつきません。 皮膚症状が出たら、帯状疱疹ウイルス用の 抗ウイルス剤の服用が必要となります。 片頭痛は月に1−2度、発作的に頭がズキンズキンと 拍動性に激しく痛む頭痛です。 嘔気や嘔吐を伴う場合があります。 通常は、片側だけに起こり、光や音に曝されると 痛みがひどくなります(光過敏、音過敏)。 また、頭痛が始まる20−30分前に目がチカチカして 視野の一部が見えなくなる(閃輝暗点)などの 前兆がある場合もあります。 群発頭痛は片頭痛に似て、 やはり拍動性の耐え難い痛みを特徴としています。 通常、年に1−2回、頭痛が集中して起こります。 1回の頭痛は1−2時間でおさまりますが、 それが1−2ヶ月の間、ほとんど毎日起こります。 また、涙が出たり、鼻水が出たりといった 随伴症状が起こる場合があります。 緊張性頭痛や血管性頭痛がこじれて 起こる頭痛(慢性連日性頭痛)として、 頭痛のための痛み止めを服用し過ぎたために 薬が切れると痛くなる頭痛や、 うつ状態のために起こる頭痛などがあります。 頭痛があった場合、 専門医に、まず脳腫瘍や脳出血などの器質的な病気が ないかを調べてもらい、 次いで症状に合った痛み止めを処方してもらうなど、 適切な治療を受ける必要があります。 |