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2022年4月10日更新

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筋萎縮性側索硬化症ALS

 ◆診断
  好発年齢:60-70歳代

 上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの障害筋力低下、

筋委縮、繊維束性収縮:上肢に強い
腱反射亢進 Babinski陽性
嚥下障害、構音障害、舌の萎縮など

 みられない症状:眼球運動障害、複視、感覚障害、膀胱直腸障害、褥瘡
(複視、しびれ、痛み、尿失禁はみられない)

 筋電図検査、筋超音波検査

 鑑別診断:頸椎病変、末梢神経障害、筋疾患、脳幹病変

 ◆治療
  根治治療なし 

対症療法(リハビリ、緩和ケアなど)が中心

薬物としてはリルゾール、エダラボン:効果は限定的

◆疾患の概念
  ひとことで言えば、運動神経(眼球運動は正常)のみがおかしくなり、
感覚神経や、自律神経は保たれると言える。

classical ALSでは脊髄の側索(上位運動neuronが通る錐体路)の変性や
前角(下位運動neuronの起点)の萎縮が起こる。

また、ALSでは脳神経のうち、
運動成分を含む第Ⅸ舌咽神経、第Ⅹ迷走神経、第Ⅻ舌下神経が障害される。
また同じく運動成分を含む第Ⅴ三叉神経、第Ⅶ顔面神経も障害され、
咀嚼筋と顔面筋が麻痺をきたす。

◆初発症状
 細かい作業がし辛くなる。

何げないところで躓く。

ものが重く感じられる。

飲み込みにくい、しゃべりにくい。

上記症状の患者さんのうち、手足の筋力低下の場合は整形外科
呂律障害や嚥下障害の場合は耳鼻咽喉科などを受診されることがあります。

整形外科で頚椎症、末梢神経障害の診断、
耳鼻科では口腔内や、咽喉部の疾患との診断がなされることがあります。

◆病状の進行
症状の進み具合の一例

 ●発症:何となく疲れやすくなる
      <下位運動ニューロンの障害:線維束性収縮
                         筋力低下
                         母指球筋、小指球筋の萎縮
                           
 ●1—2年経過:下肢が突っ張って歩きにくい
      <上位運動ニューロンの障害:下肢の痙縮
          
         :上肢に力が入らなくなり、やせてくる
      <下位運動ニューロンの障害:上腕・肩甲骨周囲の筋萎縮

 ●上手く飲み込めなくなる<球麻痺症状として:嚥下障害、構音障害、舌の萎縮


 ●2-3年経過:全身の筋委縮、
          呼吸筋の障害。

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