小脳や脳幹が後頭蓋窩から脊柱管内へ下垂する先天奇形
3型に分類される、4型に分類される場合がある。
ここでは1型と2型について述べる。
1型:小脳扁桃が下垂する。
2型:小脳虫部と下部脳幹、第4脳室
◆Chiari1型奇形 |
成人期にゆっくり発症する。
症状としては頭痛(後頭部痛)、後頚部、肩のはり、痛みがみられる。
MRI矢状断で小脳扁桃の脊柱管内への下垂、陥入がみられる。
痛みは咳やくしゃみ、トイレでのいきみなどによって増悪する。
瞬間的な頭蓋内圧亢進による。
大後頭孔で下位脳神経が圧迫されると構音障害、顔面の感覚障害、嚥下障害がみられる。
往々にして(50-85%)脊髄空洞症を合併し、上肢の解離性感覚障害
(温痛覚障害に比して触角は保たれる)がみられる。 |
◆Chiari2型奇形 |
乳幼児期(脊髄髄膜瘤のある新生児)
水頭症
喘鳴(吸気時)、無呼吸発作、嚥下困難
MRI矢状断で、下部脳幹、第4脳室、小脳中部の脊柱管内への陥入
脳室拡大が認められる。 |
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