TM
医療法人社団喜望会
http://drtsujita.com/




医療法人社団喜望会は

を運営しています。

2022年4月10日更新

医)喜望会ようが脳神経外科 | 医)喜望会のコロナ対策
脳ドックのページへ | 初診・脳ドックの予約サイトへ
医療関係者の方へ | 求人案内
医療法人社団喜望会のサイトへ

複合性局所疼痛症候群
Complex Reginal Pain Syndrome
CRPS
複合性局所疼痛症候群は2群に分類され、
CRPS1型は以前は反射性交感神経性ジストロフィーと呼ばれており、
CRPS2型はカウザルギーと呼ばれていた。

病因
◆CRPSⅠ型は、外傷(通常は手または足)に続いて発生し、
挫滅創(特に下肢)で最もよくみられる。

四肢切断、急性心筋梗塞、脳卒中、
または癌(肺がん、乳がん、卵巣がん、中枢神経系の腫瘍)に
続発することもある。
約10%は原因不明である。

◆CRPSⅡ型は、末梢神経に明らかな損傷がみられる。

通常、最初の外傷を治療するために四肢を固定した後に発生する。

病態生理
◆末梢の侵害受容器および中枢神経系の感作と
神経ペプチド(サブスタンスP、カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の放出が
疼痛および炎症の持続に寄与する。

◆CRPSは他の神経性疼痛症候群よりも交感神経系の関与が強く、
中枢性に交感神経活動が亢進するとともに、
末梢の侵害受容器にノルアドレナリン(交感神経伝達物質)対する感作が生じ、
これらの変化によって発汗異常や血管収縮による血流低下をきたすことがある。
しかし、交感神経系に対する処置(中枢性または末梢性の交感神経ブロック)が
奏功するのは一部の患者のみである。

症状と徴候
◆ CRPSの症状は多彩で、単一のパターンに従うものでなく、
感覚異常、局所の自律神経異常(血管運動または発汗)、
および運動異常がみられる。

◆疼痛(焼けつくような痛みや疼くような痛みがみられる。
一つの末梢神経の分布には一致せず、
局所に分布する環境変化や精神的ストレスにより
悪化することがある。
アロディニアや痛覚過敏が生じることもある。
疼痛によって患肢の使用が制限されることも多い。

◆皮膚の血管運動性変化(発赤、斑状、青白い変色、皮膚温の変化)や
発汗の異常(皮膚の乾燥または発汗過多)がみられることもある。
限局性の浮腫が生じることもある。

◆その他に、種々の萎縮性異常(皮膚萎縮、爪の亀裂、過度の伸長、骨萎縮、脱毛)
や運動機能の低下(筋力低下、振戦、攣縮、
手指の屈曲固定または内反尖足位を伴うジストニア)などがある。
関節可動域がしばしば制限され、ときに関節拘縮に至ることもある。
症状のために切断後の義足装着が困難になることもある。

◆心理的苦痛(抑うつ、不安、怒り)がよくみられ、
それらは原因不明という状況、効果的な治療法の欠如、長期に及ぶ経過によって
助長される。

診断
◆CRPSは、当初の組織損傷に不釣り合いな疼痛が持続し、
かつ特定の臨床基準(Budapest基準)を満たす際に診断される。

基準には、以下のカテゴリーから4症状のうち3つと
4徴候のうち2つの存在が含まれる(症状と兆候はオーバーラップする)。

 ○感覚:知覚過敏(徴候としてはピン刺しに対する反応)または
アロディニア(徴候としては感覚検査での所見)

 ○血管運動:温度の左右非対称(徴候としては>1℃)または非対称性の皮膚の変色

 ○発汗運動または浮腫:発汗の変化、非対称性の発汗、または浮腫

 ○運動または栄養:皮膚、毛髪、もしくは爪の栄養性変化、可動域の減少、
又は運動機能障害(筋力低下、振戦、ジストニア)

また、症状を説明できる他の疾患の所見を認めないことが必須である。
他にも疾患がある場合にはCRPSの可能性がある、
ないしはCRPSの可能性が高いと考えるべきである。

骨変化(X線写真での脱石灰化、3相骨シンチグラフィーでの集積亢進)が
検出されることがあるが、通常は診断が難しい場合にのみ評価される。
ただし、画像検査では、CRPSのない患者でも外傷後には骨の異常が描出されることがあるため、、
異常所見は非特異的である。

交感神経異常に対する検査として、
生理食塩水(プラセボ)またはフェントラミン1mg/kgを10分かけて点滴静注しながら
疼痛スコアを記録する方法があり、
プラセボではなくフェントラミンの投与後に疼痛が軽減すれば、
交感神経依存性疼痛が示唆される。

診断(および治療)を目的として、
交感神経ブロック(星状神経節または腰部)が用いられている。
しかしながら、CRPSのすべての疼痛が交感神経依存性というわけではなく、
また神経ブロックは交感神経以外の神経線維にも影響を及ぼす可能性があるため、
偽陽性や偽陰性の判定がよくみられる。

予後
予後は様々であり、予測は困難である。

CRPSは寛解することもあれば、何年も安定して経過することもあり、
また少数の患者では、進行して他の部分にまで波及する。

治療
集学的治療をとることになる。
くすり、理学療法、交感神経ブロック、心理学的治療、ニューロモジュレーション、鏡療法

治療の第一目標は患肢の可動性を高めることである

CRPSの治療は複雑であり、満足の行く効果は得られないことが多く、
特に開始が遅れると効果があがらなくなりやすい。

三環系抗うつ薬、抗てんかん薬、コルチコステロイド



Live with Healthy Brain
元気な脳で生きる喜びを

医療法人社団喜望会
http://drtsujita.com/

         TM
©2003-2022