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2022年4月10日更新

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運動の調節いろいろ
大脳基底核による運動の調節
◆錐体外路と大脳基底核

錐体外路は錐体路および小脳系以外で運動の制御に関連している場所の総称

大脳基底核は錐体外路系を構成する部位の代表的な部分

狭義の大脳基底核:
 線条体:尾状核
      被殻
 レンズ核:被殻
       淡蒼球
広義の大脳基底核:
 上記に
     視床下核
     黒質
 を加えて大脳基底核と考える場合もある。

◆大脳基底核の働き
大脳基底核は、小脳などとともに錐体路による運動の指令を調節し
身体のスムーズな運動を可能にしている。

大脳基底核は、大脳皮質からの入力を受けて、
運動の開始と停止、一定の姿勢を保つなどの制御を司る。

認知や情動とも関連しているとされる。

◆大脳基底核の運動調節とその障害

大脳基底核は、大脳皮質-大脳基底核-視床-大脳皮質という
ループ回路を形成し、運動を調節している。

大脳基底核は普段は視床を介して大脳皮質に抑制的に働いている。
この抑制の強さを適度に調節することで、スムーズで適切な運動が実行できる。

基底核の障害には大まかに分けて2パターンあり、

1つは基底核からの抑制が強くなりすぎる場合で、Parkinson病が代表である。
 運動の減少:運動
 不随意運動:安静時振戦
 筋トーヌス亢進:筋強剛(固縮)
 姿勢反射障害


もう一つは基底核からの抑制が低下する場合で、Huntington病が代表である。
 運動の亢進:多動
 不随意運動:舞踏運動
 筋トーヌス低下:Huntington病では例外もある

大脳基底核の個々の機能については不明な点が多い。

◆いわゆる錐体外路症状

随意運動の障害:無動
不随意運動:安静時振戦、動作時停止
筋緊張の異常:筋強剛(筋トーヌス亢進)
姿勢異常・姿勢反射障害

 小脳による運動の調節
◆小脳の入力・出力の経路、小脳の役割

小脳は大脳皮質、脊髄、前庭神経系の3つの系統から入力を受ける。
情報の統合、学習、更に運動の補正、運動の予測、計算を行った後、
それぞれの系統に出力する。
つまりは、運動の調節(姿勢、協調運動の制御)を行う。

例としては:
姿勢を保って歩く
滑らかに話す
針穴に糸を通すなど細かい動作をする
運動を予測して、速く動く
運動を学習して上手に実行できる

上手くいかない例として:
酔っ払いが、何を言っているかどうか分からない、
千鳥足で歩く
等。

◆小脳半球、虫部、片葉小節葉の機能

小脳は、入力情報の由来によって、
大脳小脳(小脳半球)、脊髄小脳(小脳虫部)、前庭小脳(片葉小節葉)の
3つの領域に分けられる。

小脳半球:大脳皮質からの情報が橋を介して伝えられ、
小脳半球で統合されて、視床を経由し再び大脳皮質に出力される。
運動の計画や円滑化に働くと考えられ、四肢の運動の調節に関わるほか、
言語などの機能にも関わると言われている。

小脳虫部:筋や腱からの意識できない深部感覚が、
脊髄小脳路または楔状束小脳路などにより、
脊髄(一部延髄)から小脳虫部と中間部に伝えられる。
脳幹を経由し、脊髄に出力され、姿勢や歩行の調節などに
主に体幹の動きの調節に働く。

片葉小節葉(前庭小脳):内耳の前庭器から前庭神経を通じて、
頭の位置や傾きに関する情報が片葉小節葉に伝えられる。
出力は主に眼球運動系の核や脊髄に送られ、
平衡や眼球運動の調節に関わる。

 小脳症状のいろいろ
◆小脳性運動失調
小脳の障害では、小脳性運動失調(小脳失調)と呼ばれる
特徴的な症状がみられる。

運動失調とは明らかな麻痺がないにもかかわらず、
随意運動や姿勢を正常に保つことができない状態のことで
小脳性運動失調では歩行障害、構音障害(断綴性言語)、
眼振、四肢・体幹の協調運動障害などがみられる。

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