Willis動脈輪を構成する両側の内頚動脈終末部から
前大脳動脈、中大脳動脈近位部にかけての血管が
徐々に狭窄・閉塞すると、脳への血流が不足し、
これを補うために側副血行路が作られる。
この側副血行路(もやもや血管)による代償が不完全であるために、
脳虚血が生じたり、脆弱であるため破綻しやすく脳内出血が生じたりする。
日本をはじめとする東アジア諸国に多く、約15-20%に家族歴がみられる。
◆概要 |
好発:10歳以下の小児、30-40歳代の成人
小児では、熱いものを吹き冷ます、管楽器を吹く、激しく泣くなどの後
一過性の片麻痺、意識障害、言語障害、感覚障害、頭痛
成人では、脳虚血発作、または脳内出血による巣症状などがみられる。
MRA、脳血管撮影にて、両側の内頚動脈終末部、前中大脳動脈近位部の
狭窄、閉塞と、周囲の異常血管網(もやもや血管網)がみられる。
頭部単純MRI T1、T2強調像にて、
両側基底核に、点状、線状の無信号域(Flow Void)がみられる。
小児では、前、中大脳動脈領域に脳梗塞がみられる。
特発性 |
◆治療 |
外科的治療:直接血行再建術(STA-MCA anastomosis)
間接血行再建術(EMS、EDAS)
および上記の組み合わせ。
内科的治療:抗血小板剤、抗痙攣剤 |
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