◆片頭痛は月に1-2度、発作的に頭がズキンズキンと
拍動性に激しく痛む頭痛です。
嘔気や嘔吐を伴う場合があります。
通常は、片側だけに起こり、光や音に曝されると
痛みがひどくなります(光過敏、音過敏)。
また、頭痛が始まる20-30分前に目がチカチカして
視野の一部が見えなくなる(閃輝暗点)などの
前兆がある場合もあります。
前兆の症状としては他にいくつかあります。
中高年以降、閃輝暗点だけ起こって頭痛が殆ど見られない場合があります。
血管が拡張しやすい状況になると片頭痛が起こりやすくなります。
気温が上昇した時、
気圧が下がった時、
気分が和んだ時
などです。
女性は3人に1人、男性は5人に1人が
片頭痛になりやすい体質を持っています。
女性ホルモン(エストロジェン)は血管拡張作用を持っていますので、
生理の前や排卵時期に片頭痛を起こす方が沢山います。
生理と連動して起こるときの片頭痛は、一般に片頭痛の特効薬である
TRIPTAN製剤の効きが悪くなる傾向があります。
妊娠するとエストロジェンの分泌が安定するために
片頭痛は起こりにくくなります。
産後、生理が戻ってくると片頭痛が起こり始めます。
エストロジェンの分泌が減ってくる40代になると、
片頭痛の起こり方に変化が起こり始め、
閉経すると片頭痛は起こらなくなります。
ピルを服用すると片頭痛が誘発される場合があります。
ピルの副作用は乳がんと脳梗塞が有名ですが、
頻度では片頭痛の誘発が最も多いように思われます。
◆最近では、マスク頭痛が話題に上ることがあります。
マスクをしていると、暖かい呼気を吸い込む、
炭酸ガス濃度が高くなっているかもしれない呼気を吸い込む
といったことで血管が拡張し、片頭痛が誘発されるかもしれない
という考えによります。
◆群発頭痛は片頭痛に似て、
やはり拍動性の耐え難い痛みを特徴としています。
通常、年に1-2回、頭痛が集中して起こります。
1回の頭痛は1-2時間でおさまりますが、
それが1-2ヶ月の間、ほとんど毎日起こります。
頭痛の部位はほとんどの場合いつも同じで、右もしくは左
どちらかの目の奥(眼窩部)に起こります。
通常、夜中の2-4時ごろ痛みが始まり、2時間程度持続します。
ひどいときには日中にも痛みが起こります。
また、涙が出たり、鼻水が出たりといった
随伴症状が起こる場合があります。
20-30歳代の比較的体格のよい男性に多く起こりますが、
女性にもまれながら起こります。
群発期間中に飲酒をするとてきめんに頭痛が起こります。
飲酒をして頭痛がおこるので、群発頭痛に突入したと
感ずる患者さんが少なからずいます。 |